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若者(Z世代)のYouTube離れは本当か?くだらない動画ばかりで見なくなった理由とSNS離れの真偽

「若者のYouTube離れ」という言葉を耳にすることが増えました。

TikTokやInstagramのリール機能が台頭する中、本当に若者はYouTubeから離れているのでしょうか。

確かに、視聴スタイルには大きな変化が起きています。しかし、若者の利用率自体は高いまま維持されているのです。

長尺動画からショート動画へ、じっくり視聴から流し見へ

というように、若者の動画視聴行動は確実に変わっているのです。

本記事では、若者がYouTubeの長尺動画を見なくなった理由、Z世代が求めるコンテンツの特徴、そして次に来るビジネスの可能性について解説します。

動画マーケティングやコンテンツ制作に携わる方にとって、必読の内容です。

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若者はYouTube離れしていない

考える 

結論から言えば、若者はYouTubeから完全に離れているわけではありません。

総務省の「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、10代のYouTube利用率は92.8%と依然として高い水準を保っています。

出典:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

他の年代と比較しても最も高い数値であり、若者にとってYouTubeは今なお主要な動画プラットフォームなのです。

ただし、利用の「質」には明確な変化が見られます。

平均視聴時間は減っているが利用率は高いまま

若者のYouTube利用率は高いままですが、平均視聴時間は減少傾向にあります。

これは若者がYouTubeを完全に使わなくなったわけではなく、視聴方法が変化したことを示しているのです。

ICT総研の「2023年度SNS利用動向に関する調査」によれば、10代の1日あたりの動画視聴時間は約90分です。

その内訳はYouTubeだけでなく複数のプラットフォームに分散しています。

つまり、YouTubeの利用率は高いが、他のSNSを見る時間も増えているということになります。

若者はYouTubeの視聴自体をやめたのではなく、視聴先を多様化させているだけなのです。

YouTubeは依然として利用されていますが、TikTokやInstagramリールなど短尺動画プラットフォームとの「使い分け」が進んでいます。

出典:ICT総研「2023年度SNS利用動向に関する調査」

短時間視聴が増加している

若者の視聴スタイルは「長時間じっくり」から「短時間で多数」へと変化しています。

YouTubeショート機能の利用拡大がこの傾向を象徴しているのです。

Googleの2023年第2四半期決算発表によると、YouTubeショートの1日あたりの視聴回数は500億回を超え、若年層が主要な視聴者となっています。

従来の10分以上の長尺動画よりも、60秒以内のショート動画が好まれる傾向が明確になったのです。

この変化は「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する若者の価値観を反映しています。

出典:Alphabet Inc.「Q2 2023 Earnings Call

若者がYouTubeの長尺動画を離れる理由

若者がYouTubeの長尺動画から離れているのは事実です。

以下では、具体的な理由を詳しく見ていきます。

長尺動画の視聴が苦痛になった

10分以上の長尺動画を最後まで視聴することが、若者にとって負担になっています。

長い前置きや冗長な説明を嫌い、結論を早く知りたいという欲求が強まっているからです。

これはタイムパフォーマンス(タイパ)を重視する価値観が浸透した結果です。

電通若者研究部「Z世代メディア意識調査2023」では、Z世代の約65%が「動画は倍速で視聴することが多い」と回答しています。

通常速度での視聴自体が減少しているのです。

また、集中力の持続時間が短くなっている傾向もあり、長尺コンテンツへの耐性が低下していると考えられます。

出典:電通「Z世代メディア意識調査2023

TikTokやInstagramといった手軽なプラットフォームが出現した

TikTokやInstagramリールの登場が、若者の動画視聴習慣を根本から変えました。

これらのプラットフォームは15秒から90秒程度の短尺動画を中心としており、スキマ時間での視聴に最適化されているのです。

data.aiの「モバイル市場年鑑2023」によると、2023年時点で日本の10代のTikTok利用率は62.3%に達しており、急速に普及しています。

縦型フルスクリーン表示、スワイプで次々に新しいコンテンツが流れる仕組みなど、中毒性の高い設計が若者を惹きつけています。

YouTubeの横型長尺動画と比較して、圧倒的に手軽に楽しめる点が支持されているのです。

出典:data.ai「モバイル市場年鑑2023

「くだらない動画ばかりで見なくなった」という声

若者の間では「YouTubeはくだらない動画ばかり」という不満の声も聞かれます。

これはコンテンツの質の低下というより、若者の興味関心の変化を反映しているのです。

かつて人気だったドッキリ企画やチャレンジ動画、大げさなサムネイルとタイトルの動画に対して、若者は「ワンパターンで飽きた」と感じています。

ホットリンク「Z世代のSNS利用実態調査2023」では、Z世代の約48%が「YouTubeのサムネイルが煽り過ぎで不快」と回答しました。

出典:ホットリンク「Z世代のSNS利用実態調査2023

情報過多の時代において、本当に価値あるコンテンツを見極める目が厳しくなっているのです。

若者のトレンドはTikTokが最大の発信源

現在、若者の間でのトレンド発信源はYouTubeからTikTokへと移行しています。

音楽、ファッションの流行など、若者文化の中心がTikTokで生まれているのです。

例えば2022年末に流行した「ちいかわ構文」や「それってあなたの感想ですよね」などの流行語は、すべてTikTokから広まりました。

博報堂DYメディアパートナーズ「メディア定点調査2023」によると、10代の約72%が「流行を知るためにTikTokをチェックする」と回答しています。

YouTubeは情報収集や学習のプラットフォームとして利用される一方、トレンドの発信源としての地位はTikTokに譲りつつあるのです。

出典:博報堂DYメディアパートナーズ「メディア定点調査2023

Z世代が求めるコンテンツ

パソコン スマホ

Z世代(1990年代後半から2010年代前半生まれ)が求めるコンテンツには明確な特徴があります。

以下では、Z世代が好むコンテンツの特徴を詳しく解説します。

短時間で完結するもの(タイパ重視)

Z世代は「タイムパフォーマンス(タイパ)」を最重視します。

限られた時間で最大の満足感を得られるコンテンツが好まれるのです。

リクルート「2023年トレンド予測」では、Z世代の約81%が「時間を無駄にしたくない」という意識を持っていることが明らかになりました。

そのため、15秒から60秒で完結するショート動画や、要点を簡潔にまとめた動画が支持されています。

長い動画であっても、チャプター分けされていて必要な部分だけ視聴できる構成が求められるのです。

出典:リクルート「2023年トレンド予測

刺激的・中毒的なもの

Z世代は刺激的で中毒性の高いコンテンツを好みます。

次々に新しい刺激を求める傾向が強いのです。

TikTokのアルゴリズムは、ユーザーの好みを学習し、飽きさせないコンテンツを連続的に提供します。

スワイプ一つで次のコンテンツに移れる手軽さと、予測不可能な驚きが組み合わさることで、強い中毒性を生み出しているのです。

脳科学的には、ドーパミンが放出される快感サイクルが短いスパンで繰り返されることが、中毒性の要因と考えられています。

トレンドに乗ったもの

Z世代は常に最新のトレンドにアンテナを張っています。

「今、流行っているもの」に敏感であり、トレンドから取り残されることを嫌うのです。

サイバーエージェント「10代のSNS利用実態調査2023」では、10代の約68%が「友達との会話についていくためにトレンドをチェックしている」と回答しました。

ハッシュタグチャレンジ、流行の音楽、話題のミームなど、今まさに盛り上がっているコンテンツへの参加意欲が高いのです。

トレンドは急速に移り変わるため、鮮度の高い情報を常に求める傾向があります。

出典:サイバーエージェント「10代のSNS利用実態調査2023

若者がYouTube以外で利用している動画アプリ

tiktok

若者はYouTubeだけでなく、複数の動画アプリを使い分けています。

以下では、若者に人気の主要な動画アプリを紹介します。

TikTok

TikTokは若者にとって最も影響力のある動画プラットフォームです。

ショート動画に特化し、エンターテインメント性の高いコンテンツが中心となっています。

総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、10代のTikTok利用率は62.3%に達しています。

若年層での浸透度は極めて高いのです。

15秒から3分程度の動画が主流で、音楽に合わせたダンス動画、コメディ、ライフハック、チャレンジ企画などが人気です。

高度なレコメンドアルゴリズムにより、ユーザーの好みに合ったコンテンツが次々と表示される仕組みが中毒性を生み出しています。

出典:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

Instagram(リール)

Instagramのリール機能は、TikTokに対抗して強化されたショート動画機能です。

既存のInstagramユーザー基盤を活かし、若者の間で急速に普及しているのです。

Meta社の2023年第1四半期決算発表によると、リール機能の利用時間は前年比で約150%増加しており、特に10代から20代前半の利用が顕著です。

TikTokと似た縦型ショート動画形式ですが、Instagramのフォロワー関係を基盤としているため、知り合いとのつながりを重視する層に支持されています。

ファッション、美容、ライフスタイル系のコンテンツが特に人気です。

出典:Meta Platforms, Inc.「Q1 2023 Earnings Release

BeReal

BeRealは「リアルな瞬間を共有する」ことをコンセプトにした新しいSNSアプリです。

1日1回ランダムな時刻に通知が届き、2分以内に前後カメラで同時撮影した写真を投稿する仕組みが特徴なのです。

加工やフィルターを使わない「ありのままの瞬間」を共有することで、従来のSNSの「見栄え重視」文化に疲れた若者から支持を集めています。

data.aiの調査によると、2023年時点でBeRealは世界中で約2,000万人以上のアクティブユーザーがおり、特に女子高生や大学生の間で人気が高まっているのです。

友達との気軽なコミュニケーションツールとして、日常の何気ない瞬間を共有する文化が広がっています。

出典:data.ai「State of Mobile 2023

YouTubeの次に来るビジネスとは?【大胆予想】

下降 グラフ

動画プラットフォームの競争が激化する中、次に成長する可能性のあるビジネスを予測することは重要です。

以下では、注目すべき3つのビジネス領域について大胆予想します。

女子高生に人気「BeReal.」

BeRealは今後さらに成長する可能性を秘めたプラットフォームです。

「リアルな瞬間の共有」というコンセプトは、加工された投稿に疲れた若者の心を掴んでいるのです。

Sensor Towerの分析によると、BeRealのダウンロード数は2022年から2023年にかけて約700%増加し、特に日本の10代女性の利用が急増しました。

従来のインフルエンサーマーケティングとは異なる、より親密で本物志向のマーケティング手法が求められるでしょう。

企業がこのプラットフォームでどのように若者とつながるか、新しいアプローチの開発が今後のビジネスチャンスとなるのです。

出典:Sensor Tower「Mobile App Trends 2023

ゲーム実況「Twitch」

Twitchはライブストリーミング特化型プラットフォームとして独自の地位を確立しています。

ゲーム実況を中心に、リアルタイムでの視聴者との交流が大きな魅力なのです。

Twitchの公式発表によると、世界中で月間アクティブユーザー数が約3,500万人を超えており、特にゲーマー層からの支持が厚いです。

e-sportsの市場拡大とともに、Twitchの影響力も増しています。

ゲーム関連企業にとって、Twitchでの配信やスポンサーシップは重要なマーケティング戦略となっているのです。

出典:Twitch「Platform Statistics

シニア向け動画:やはりYouTube

若者がショート動画に流れる一方で、シニア層ではYouTubeの利用が拡大しています。

高齢化社会において、シニア向けコンテンツは大きなビジネスチャンスとなるのです。

総務省の調査によると、60代以上のYouTube利用率は2020年の32.5%から2023年には51.2%へと急増しており、今後も成長が見込まれます。

出典:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

健康情報、趣味、旅行、料理など、シニア層の関心に応じたコンテンツ需要が高まっているのです。

長尺でじっくり視聴するスタイルを好むシニア層にとって、YouTubeは最適なプラットフォームであり続けるでしょう。

まとめ:若者はYouTubeを離れていないが視聴スタイルを変えている

tiktok アフィリエイト

若者のYouTube離れは「完全な離脱」ではなく「視聴スタイルの変化」として捉えるべきです。

利用率は依然として高いものの、長尺動画からショート動画へ、じっくり視聴から流し見へと、明確な変化が起きています。

TikTokやInstagramリールなど、短尺動画プラットフォームの台頭により、若者の動画視聴は複数のアプリに分散しているのです。

タイムパフォーマンスを重視し、刺激的でトレンドに沿ったコンテンツを求める若者の価値観は、今後も動画市場を変え続けるでしょう。

動画マーケティングに取り組む企業や個人は、この変化を正確に理解し、各プラットフォームの特性に合わせた戦略を立てる必要があります。

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